Q,父が亡くなりましたが、債務が多いので限定承認しようと思っています。この場合にはみなし譲渡に注意が必要ということですが、どのような点ですか?

 

A,相続財産に譲渡所得の起因となる資産がある場合は、譲渡があったものとみなして譲渡所得課税が行われます。

限定承認とは、被相続人の財産の限度において債務を承継するというもので、限定承認をする場合には、相続を知った日から3か月以内に家庭裁判所に申し出をしなければなりません。

税務上、限定承認をした場合には、被相続人から相続人に財産を譲渡したものとみなすこととなっています。このため相続財産のうちに譲渡所得の起因となる資産(土地等、有価証券等)がある場合には、その相続開始時の時価で譲渡があったものとして譲渡所得税が課せられますので、注意しなければなりません。

ただし、その後において、その財産を譲渡した場合には、その相続時の時価が取得価額となりますので、その価額を超えて譲渡しない限り、譲渡所得税がかかることはありません。

なお、この場合の譲渡所得税は被相続人の債務となり、相続税の債務控除の対象になります。

また、この場合のみなし譲渡の対象になった相続財産は、相続税の申告においては、一般の財産と同様に評価します。

 

出典:納税通信 2014.1.27  第3307号 6頁