Q:妻はわたしが代表取締役社長を務める会社で働いています。取締役会に必ず出席し、また事業計画や資金計画の策定に参加しているのですが、役員として登記はしていません。このような実態を知り合いの社長に話したところ、妻に支払う給与は原則として損金にできないという話を聞きました。社員に支払う給与と税務上の扱いが異なる理由を教えてください。なお、わが社は私が株式を100%保有している同族会社です。

A:役員登記していない人でも、会社の意思決定に深く関わっているのであれば、法人税法上では役員と同じ立場とみなされ、報酬を損金にできません。
会社法では取締役会、会計参与、監査役を役員と定義づけていますが、法人税法上ではそれよりも範囲が広く、①使用人以外の人、②本人や親族の株式所有割合が高い使用人―のいずれかで、会社の経営に従事していると、肩書にかかわらず役員とみなされることがあります。これを「みなし役員」と言います。
みなし役員に支払う給与は税務上の「役員給与」となり、ほかの社員への支払いと比べて税務上不利になります。例えば賞与が損金になりませんし、また残業代は毎月支給される一定額を除き損金に算入できません。

事業計画や資金計画の作成、人事決定といった会社の主要な業務執行の意思決定に携わると税務上のみなし役員となります。経営に関する簡単な助言をする程度であれば役員とみなされません。

出典:税務通信 第3488号 平成29年9月4日号