2025.11.10
日々の業務の中で生じる、経理処理にまつわる迷いやギモン、誤解についてあらためて確認していくシリーズです。今回のテーマは「キャッシュレス決済の記帳タイミング」。会計ソフトへのデータ取り込みが一般化する中、売上と費用計上のタイミングを再確認しておきましょう。
コロナ禍を経て、急速に広まったキャッシュレス決済。クレジットカード、電子マネー(Suica・WAON等)、二次元コード(PayPay・楽天ペイ等)など、その手段も多様化しており、「現金はほとんど持ち歩かず、キャッシュレス決済中心」という人も増えてきました。
キャッシュレス決済は、その決済方法により、大まかに①後払い式②プリペイド式-に分かれますが、いずれも「発生主義」で記帳することがポイントとなります。
※実際に金銭の受取や支出があった時点ではなく、取引が発生した時点で収益や費用を認識すること。
●売上の計上タイミング
(1)売上発生時
商品やサービスの提供が完了した時点(=売上発生時点)で売上を計上します。飲食店や小売業等の「BtoC」の場合、顧客がクレジットカードで支払った時が「売上発生時点」です。現金はまだ入金されていないため、「クレジット売掛金」(または「売掛金」)で処理します。
<仕訳例>
クレジット売掛金100,000円
売上100,000円
(2)入金時
レジットカード会社から預貯金口座等に入金されます。入金があった時点で、売掛金の消込処理をします。この時、差し引かれた手数料は「支払手数料」等で費用計上します。
<仕訳例>
普通預金98,000円
支払手数料2,000円
クレジット売掛金100,000円
●費用の計上タイミング
(1)カード決済をした時
原則として、クレジットカード決済をした時(=商品購入日・サービス受領日)に費用計上します。この時点ではまだ預貯金口座等からの引き落としはされていないため、「クレジット未払金」または「未払金」)で処理します。
備品消耗品費(費用科目)
クレジット未払金3,300円
(2)引落時
預貯金口座等からの引き落としがあった時点で、未払金の消込処理をします。
クレジット未払金3,300円
普通預金3,300円
(1)チャージした時
チャージした時点ではまだ物品購入等の取引は行われていないため、「前払金」等で処理します。
<仕訳例>
前払金5,000円
現金5,000円
(2)電子マネーを使用した時
実際に電子マネーを使用した時点で、「前払金」等から振り替えて、取引内容に応じた勘定科目で仕訳します。
<仕訳例>
備品消耗品費2,000円
前払金2,000円
「財布要らず」のプリペイド式の電子マネー等は気軽に利用できるため、取引先等との飲食や備品を購入する時などに、プライベートのアカウントを使用してしまう場合があります。そのため、電子マネー等を使用した時は、必ず領収書をもらう、取引履歴をダウンロードして保存しておくなど、お金の流れが分かる証拠をきちんと残しておきましょう。
プライベートのクレジットカード電子マネー等の利用は、公私混同を招くおそれがあります。法人カードや法人用電子マネーを使うようにする、業務用携帯のアプリ・アカウントから決済するなど、事業用とプライベートのお金の流れをきっちり分けられるような仕組みやルールをつくることが大切です。また、取引記録とデータ連携できる会計ソフトを利用することで、経理処理の省力化にもつながります。キャッシュレス決済が普及した今こそ、「データはデータのまま」取り込む「入力レス(自動化)」を検討してみてはいかがでしょうか。
(参考)
「データはデータのまま」取り込んで、「入力レス(自動化)」を目指そう!
-FXクラウドシリーズに搭載されている3つの機能
- 証憑保存機能
- 銀行信販データ受信機能
- タブレットPOSレジからのデータ受信機能
電子取引データ(PDF等)や紙の証憑を電子データとして保存。証憑から読み取ったデータを活用して、仕訳データをかんたんに生成できます。
インターネットバンキングの入出金明細、クレジットカード支払明細、電子マネーの支払明細データを自動受信。仕訳計上がかんたんにできます。
タブレットPOSレジ(ユビレジAirレジ、スマレジ)との連携で、日々の売上を手間なく集計。集計した売上データを取り込み、売上仕訳の入力業務を省力化!
出典:TKCグループホームページ「TKCの会計ソフト「FXクラウドシリーズ」」