MENU

立川事務所

事務所通信

topics

HOME事務所通信 > 「生成AI」という新しい味方

「生成AI」という新しい味方

2025.08.25

「人が足りない。やるべき業務は山積み。」
そんな悩みを抱えている経営者は少なくありません。特に中小企業では、1人ひとりの負担が重く、限られた時間で成果を出さざるを得ない状況が続いています。

そこで注目を集めているのが、生成AIの活用です。難しい知識がなくても利用できるサービスが増え、定型業務からアイデア創出まで幅広く支援してくれる存在になっています。

そもそも「生成AI」とは?

生成AIとは、PCやスマホから入力した指示(プロンプト)に応じ、膨大なデータをもとに文章・画像・動画などを自動生成する技術のことです。

  • 文章や画像だけでなく、音声や図表も指示可能
  • 結果は文章・画像・動画など多様な形で出力
  • 文脈を理解し、人間のように自然な回答や新しい発想を提示

まるで有能なアシスタントが社内にいるように、幅広い業務を助けてくれます。

中小企業が生成AIを活用するメリット

中小企業ほど、生成AIを取り入れるメリットは大きいといえます。

  • 事務作業の効率化
    見積書作成やメール文案など、時間を奪う定型業務をAIに任せれば、空いた時間を営業や企画に充てられます。
  • クリエイティブ領域の補助
    画像・動画・コピーライティングなど、専門性が必要な業務も、AIを使えば短時間で形にできます。
  • 新商品・新サービスのアイデア創出
    ユーザー視点の提案や斬新な切り口を提示してくれるため、ブレストの強力な相棒になります。
  • 人手不足の解消に直結
    限られた人員での業務遂行を支え、労働時間削減や働き方改革にも寄与します。

注意すべきリスク ― ファクトチェックと権利関係

便利さの裏側で、注意点もあります。

  • 事実確認を欠かさないこと
    生成AIは誤った情報を提示することもあるため、必ずファクトチェックが必要です。
  • 著作権・商標権への配慮
    他人が権利を持つ文章や画像を利用する場合、意図によっては侵害にあたるおそれがあります。ロゴやデザイン作成時には特に注意が必要です。

文化庁が、AIと著作権に関する考え方などについてまとめています。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/aiandcopyright.html

業務効率化に役立つ生成AIツール3選

生成AIツール3選
ツール 主な用途 特徴 活用例
ChatGPT 文書作成/データ整理・分析/ロゴ・画像作成 チャット形式で指示可能。文章案、要約、表作成、簡易分析、画像生成まで幅広く対応。 メール文案作成、FAQ下書き、議事録要約、商品ロゴ案の草案
Canva 画像・動画・音声/プレゼン・販促物作成 テンプレからデザインを自動生成。商用利用可プランあり。SNS・チラシ・動画編集に強い。 Instagram画像、チラシ・バナー、短尺プロモ動画、社内資料
Rytr コピー/ブログ・LPの文章作成 短文~長文の自動生成に特化。無料枠(月約1万字)で試せる。トーン指定が簡単。 キャッチコピー、商品説明、ブログ下書き、広告文

個人情報・機密情報は入力しない

生成AIは入力内容を学習に活用する場合があります。顧客情報や契約内容などの機密データを入力すると、情報漏えいのリスクがあるため絶対に避けましょう。

導入事例① 製造業:見積メールと取扱説明の“半自動化”

状況: 機械部品メーカー。営業担当は案件ごとに見積メールをゼロから作成し、技術担当は取扱説明書の草案に多くの時間を割いており、納期がタイトになることが課題でした。

施策
  • 見積メールを用途別(新規顧客/既存顧客/数量変更/短納期対応)に分類し、テンプレート化。
  • ChatGPTに「型+変数(型番・数量・納期・注意点)」を入力するプロンプトを整備。
  • 取扱説明書は過去PDFから目次を抽出し、注意喚起の標準文を自動付与。

使用ツール: ChatGPT(文章生成・要約)、Canva(図版・注意アイコン)

結果
  • 見積メール作成が 30分 → 8分(約73%削減)。営業担当1人あたり日12件の対応が可能に。
  • 取扱説明書の草案が 2日 → 半日で作成でき、品質のバラつきも軽減。

実際のプロンプト例↓

次のテンプレに従ってBtoB見積メールを作成してください。
トーン:ていねい・簡潔。
[変数]型番=ABC-240、数量=120、希望納期=3週間、価格条件=都度見積、
注意=耐熱温度の記載必須。
最後に「次のアクション」を一文で促してください。
  

導入事例② 小売・EC:画像生成+コピーABテストの高速回転

状況: 季節商品の販促で画像制作の待ち時間が発生し、投稿頻度が低下。LPの訴求も固定化してCVが伸び悩んでいました。

施策
  • Canvaで季節別テンプレートを作成し、商品差し替えで自動レンダリング。
  • ChatGPTでLPヒーローコピーを3案生成し、ABテストを週次で実施。
  • SNS投稿用の画像・テキストを「フォーマット+変数」で量産できる体制に。

使用ツール: Canva(画像・短尺動画)、ChatGPT(コピー案・見出し)

結果
  • 週次更新工数が 10時間 → 3.5時間(約65%削減)
  • LP改善により CVR +0.8pt(2.4% → 3.2%) を達成。

実際のプロンプト例↓

以下の商品情報をもとに、LPのヒーローコピーを3案作成してください。
制約:各案は20字×3行、トーンは「親しみ+即時性」、禁止:専門用語・誇大表現。
【商品名】季節限定フルーツタルト
【主なベネフィット】新鮮・数量限定・当日発送
【証拠】レビュー★4.6/累計5万個販売
【CTA】今すぐチェック
  

導入事例③ 建設・設備:入札書類と安全書類の“差分更新”で時短

状況: 入札・安全関連の提出書類が案件ごとに膨大。コピペ起因のミスや表記ゆれが発生し、作成に時間がかかっていました。

施策
  • 過去提出書類をChatGPTで項目抽出し、標準テキストと章立ての“原本”を作成。
  • 現場固有情報(工期・人員・機材・安全対策)を差分入力し、自動で最新版を生成。
  • 規制文言はロックし、数値・名所のみ差し替える運用に統一。

使用ツール: ChatGPT(要約・項目抽出・差分生成)

結果
  • 案件ごとの書類整理が 120分 → 25分(約79%削減)
  • 表記ゆれ・記載漏れが大幅減。監督署提出の手戻りも減少。

実際のプロンプト例↓

【過去提出書類】の本文を解析し、必須項目を抽出して「編集可能な章立てテンプレート」を作成。
次に【今回案件の差分情報】(工期、現場住所、要員数、機材、特別教育、安全ルール)を統合し、
最新版の入札書類ドラフトを生成してください。法令・規制文言は原文を維持し、数値・固有名詞のみ更新。
  

導入事例④ 専門サービス:セミナー運営を“音声→要約→スライド”で一気通貫

状況: 月例セミナーの企画~原稿~スライドが属人的で、毎回作成に時間超過。開催後レポートの発行も遅延していました。

施策
  • 打合せ音声をテキスト化し、ChatGPTで要約&5章構成のアウトライン化。
  • アウトラインからスライドラフ(見出し・要点・図解候補)を自動生成。
  • Canvaテンプレートでデザイン適用し、画像生成で図版を補完。

使用ツール: ChatGPT(要約・アウトライン・タイトル案)、Canva(テンプレ適用・図版)

結果
  • 企画~資料作成が 12時間 → 4時間(約67%削減)
  • 開催当日中に要点レポートを自動要約で配信可能に。

実際のプロンプト例↓

この議事録を5つの章に要約し、各章の学習ポイントを3つずつ抽出。
さらに各章のスライド見出し案と箇条書き要点を作成してください。
トーンは実務的で、専門外にも伝わる表現にしてください。最後に全体タイトル案を3つ提示。
  
一覧を見る